てんかんなど痙攣を伴う病気とチック症、トゥレット症候群に漢方が有効な事を実例をあげて説明しています。
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様々な病気と漢方
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てんかんと言うと、突然意識を失い、倒れ、けいれんをはじめる病気と考えている人も多いかもしれませんが、実は色々な発作の型があります。 先のような突然意識を失い、歯を食いしばり、全身をこわばらせる強直性けいれんは大発作と呼ばれています。これなどは典型的なのですが、てんかんにはその他に、突然意識が中断したり、短時間筋肉がぴくぴくとけいれんしたり、身体の筋肉の緊張が抜けて倒れたり、急に身体を一瞬びくつかせ、目がつり上がり、頭をお辞儀するように前屈させたりする発作〔小発作〕もあります。 また異常行動や一過性の錯覚や幻覚を見たりする精神運動発作などと言われるのもあります。もちろん診断は専門のお医者さまにしていただかなければなりません。 てんかんの患者さんのうちで、色々検査しても原因のわからない真性、または特発性のものが大体三分の二、残り三分の一が頭部外傷、脳血管障害、脳腫瘍など色々な脳の病気が原因となっているとみられています。後述の脳の病気が原因の場合は、当然その原因の病気の治療が必要で、脳外科手術でてんかんが治ったりすると、最近の新聞記事にも出ていました。原因不明の発作においても良く現代の医薬品が効果をあげています。 では漢方はまったく出番はないのかというとそうではないようです。過去に数は多くはありませんが相談を受けています。病院にかかりつつも症状が抑えきれない人がおられました。 ◎実例 Aさんは頭が締め付けられるようになり、意識が遠のいて倒れてしまうと言います。前触れは自分でわかるらしいです。 もちろん病院で診断され、てんかんのお薬が処方されていました。しかし残念ながらなかなか改善せず遠方から紹介で来られました。 この方の特徴は、肩こりがひどく、眼が非常に疲れしょぼしょぼする。物音に非常に敏感に反応し、特にパチンコ屋の前などは気持ち悪くなるというのがありました。 漢方では、てんかんは精神の不安定な状態が身体症状として現れたものと考えて、全身状態と気の調整を行っていきます。かなりの神経過敏があるのでその調整をする目的の漢方薬を選びましたところ、徐々に改善してきて、パチンコ屋の前も耳栓しなくても〔確か耳栓をしていたと言っていたと思う〕歩けるようになり、発作の回数も徐々に減ってきました。その間約一年かかっています。漢方薬の内容も大きく分類すると三回変更しています。約一年でお薬はお止めになっていますが、最後の方はほとんど調子が良いとAさんの相談用紙には書かれています。 なかなか言い出しにくいご病気ですが、お困りの方は一度ご相談下さい。 2000年年6月分 目次に戻る 相談カードへ |
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「てんかん」のご相談者さんは、過去に数人いらっしゃいます。漢方薬だけで改善できた例もあります。でも一応病院のお薬は併用が原則ですね。病院のお薬だけでも安定しないような場合には、漢方薬は有効かと思います。 手術などの適応症の場合を除き、抗てんかん薬で治療継続しているのが一般的でしょう。 漢方では「てんかん」という病名で漢方薬の処方が決まるわけではありませんので、その人の体質を詳しくお聞きしなければなりません。痙攣(けいれん)を起しやすい体質でも様々あります。比較的神経性の痙攣が多いと思われます。 「てんかん」「歯ぎしり」「チック症」も漢方では病名にこだわらず一種の痙攣(けいれん)の病気として考え処方を選択します。 チック症の重度の症状をトゥレット症候群といわれています。 『トゥレット症候群』については、最近1年の中で1例だけ相談がありました。残念ながら1ヶ月ほどの漢方の服用だけでお止めになり、効果が実感できなかったようで残念な結果になりました。 チック症に比べ、かなり症状が目立ってひどく、特に上記のご相談者さんの場合、『汚言症』という症状があり、ご家族が大変お困りでした。『汚言症』というのは、人が聞いたらとても耐えられないような言葉、卑猥な言葉を口にするというものです。それはそれはとてもお悩みでした。なんとか治せないものかと頑張ったんですが、もう少しお時間が欲しかったですね。 考えられる処方も多くありますが、漢方で言う「肝血虚」が、筋肉のひきつりに関係があるところから、まず肝血を補う生薬が配合されている処方を考えます。 怒りっぽい人(ちょっとした事でも怒りが抑えられない)や、子供の頃には、夜泣きや、夜驚症と言われるような症状を持っていたようなタイプには、よく使う処方があり、チック症にも割合良く効きます。 『夜驚症』という言葉が出てきましたので、説明しておきましょう。これは夜中に突然に奇声をあげる、寝ぼける、寝言を大きな声でしゃべるなど、驚くような行動をとるような場合の事を『夜驚症』と言っています。 かくいう私は軽くこのタイプであったかもしれません。それに疳の虫が強いというか「すぐキレル子」であったようで、気に入らないことがあると新聞や雑誌などをビリビリに切り裂いていたと聞いています。 今の私からは、おそらく全く想像はつかないと思いますが・・・ 子供さんには多かれ少なかれある症状です。日常生活にそれほど問題がなければ、そのままほおっておいてもかまいません。普通は自然に治っていくものと考えられています。 不眠がちである場合も夜泣きや夜驚症との関係があります。 また、熱性痙攣のように発熱をきっかけになるものもあります。風邪などの発熱の時も起こりますが、なかには神経性の発熱というのもあり、この場合にも痙攣を併発することがあります。 漢方薬である程度体質改善することで、ひどい熱性痙攣や「てんかん」の発作を減らすことも可能です。 お困りの方は、一度ご相談下さい。 2004年11月分 目次に戻る 相談カードへ |
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最近の実例です。 手の指先の震えが気になるというご相談がありました。 指先の震えのご相談は今までにもたくさんありますが、漢方をやってみるといったのはそうそうありませんでした。 一つには金額的な面もありますでしょう。また一つには、特別ひどくない場合は別段命に問題があるわけではないというところから、気休めに相談にきているという感じではなかったかと思います。 また実際に神経科では、β-blocker(β遮断薬)や抗てんかん薬などによってかなり「手のふるえ」が改善するという事実もあります。 話をもとに戻しましょう。 ご相談者さんは、40才前の方です。 神経科では、すでに抗てんかん薬を処方されていましたが、手の震えがどうしても気になるというご相談でした。この抗てんかん薬はてんかんの小型運動発作(ミオクロニー発作など)や精神運動発作、自律神経発作などに使用される薬です。 実際に薬局に来られていますので、指をみせていただきました。 確かにゆらゆら、ふわふわと言いますか、震えています。このような状態は甲状腺の異常(機能亢進)にも見られるので、お聞きしますと、やはりもうすでに調べてあるとの事で神経科に回されたわけです。 そして、これでも神経科の薬は効いている状態なのだそうです。 驚いた事にもう10年も続いているということでした。 長い期間そういう状態なので、やはり心配なのでしょう。またこれからも続くのは仕事にも差し支える状況なのです。 局所の症状も見ながら、この方の見た目の印象が直観的に処方選択へと導かせます。 神経質というか、繊細さとでも言いますか、微妙な雰囲気を持っています。 すぐに処方を決めました。煎じ薬は仕事柄難しいという事で、エキス顆粒剤で二処方を合わせました。 話は変わりますが・・・ HPを立ち上げて、相談カードによるご相談、メールや電話によるご相談をするようになって、この辺の実際にお会いしなければ分からない微妙な雰囲気というのものが得られない 不具合を、かなり切実に感じております。 話を元にもどします。 最初は二週間お出しいたしました。 そして、驚くことに、最初の二週間の反応は、指の震えはかなりよく気にならないくらいだといいます。 さらに二週間後には、「100%とは言えませんが、十分満足」とのこと。 続けて、二つ目のお悩みのご相談となりました。 指の震えの漢方薬はおそらくこれからも継続となると思いますが、抗てんかん薬は重要な細かい仕事の際のみ使用する程度でいけているようです。 10年の悩みが意外にも早く良くなって、私も非常に喜んでいる実例です。 2005年2月5日 書き下ろし 目次に戻る 漢方相談カードへ |
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