花粉・・・今年は多い! (漢方の話)2005年2月分 |
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花粉症やアレルギー性鼻炎に関しては、もう何度も記事として書いてきましたが、今年は書かないわけにはいかないでしょう! マスコミは今年のスギ、ヒノキの花粉飛散量を関東、関西の違いはあれど、昨年の10〜30倍くらいの猛烈な量となることを発表しています。10年に1度ほどの大量と言われています。 現代医薬品を使った最近の花粉症予防としては、花粉の飛び始める予想日より1〜2週間前より抗アレルギー薬(第2世代の抗ヒスタミン剤)を服用しておくというのがあります。 症状の発現時期を遅らせたり、飛散ピーク時の症状を軽くしたりする効果があるといわれています。今春のように飛散量が多いと果たしてどこまで抑えられるかとちょっと心配ですね。 この記事が出ているころ(2月下旬〜3月上旬)には花粉はすでに飛びまくってピークとなっている頃でしょうから、今この記事が気になった方は、症状が治まっていない人だと思います! 花粉症、恐るるに足らずだというと大袈裟かもしれませんが・・・大丈夫!まだ漢方薬があります。 まず、大きく三つのタイプに分けます。 A:くしゃみ、水のような鼻水が多い、涙が噴き出す・・・もっとも多いタイプで、朝起きてすぐ鼻水でグジュグジュになっている人がいますね。寒証に相当します。 B:どちらかというと分泌物も少なくなり、鼻閉で悩むタイプ・・・これはどちらかというと熱証タイプです。 実際に多く見るタイプはAの寒証タイプで、 C:AとBの混合タイプも比較的多いと思われます。Bだけの方は少ないようですね。 本来は、花粉症の出ない時期に体質改善目的の漢方薬を服用しておけばよいのですが、今の時期に症状の出ている人は、完全に対症療法的に上記のタイプに応じる漢方薬を飲むのが正解ですね。早く花粉症状を押さえ、日常を普通に近く生活できるようにいたしましょう。 漢方薬が合っている場合は、意外にも効果は早く、服用後、数分〜30分くらいの時間で効果が感じられるはずです。 ぜひお試しください。
2005年3月分 目次に戻る 漢方相談カードへ 今回の参考文献:坂東正造著 山本巌の漢方医学と構造主義病名漢方治療の実際(メディカルユーコン) |
花粉症・アレルギー性鼻炎と漢方 |
今年のスギ花粉飛散料は大変なものという情報が入ってまいりました。近畿地方は例年の3〜6倍とテレビでは言っておりました。 さらに、毎日新聞からの抜粋ですが・・・ 『花粉症やぜんそくなどのアレルギー疾患になりやすい体質の若者が急増し、20代前半では9割近くが「アレルギー予備軍」であることが、国立成育医療センター研究所や東京慈恵会医科大などの調査で分かった。各国の調査では最高でも6割程度で、今回の結果は突出している。』というように、日本における花粉症などのアレルギー性疾患の増加傾向は恐ろしく伸びているのがわかります。 よい化学医薬品は年々医療機関に許可、輸入されてきています。しかし私はあえて漢方薬の素晴らしさを紹介いたします。それは体質改善傾向を持つからであります。どうしても漢方薬での切れ味が悪い場合は新薬と併用も良いと思います。 花粉症の人は、漢方薬を大体2〜4月ぐらいまで服用してくれるのですが、それ以外の時期には鼻炎が無いために、中止している人がほとんどです。 ですが、本当の意味で体質改善するには、花粉症のない時期にも漢方薬(内容は発作期とおそらく変わります)を服用し続けることが重要なポイントになります。 当薬局でも知らない間に、花粉症が良くなっていました、という人が随分と増えてきたように思います。花粉症の治療をしていなくても、他の病気の治療を継続しているうちに体質改善されたようですね。 花粉症の特徴である、「鼻水がビシャビシャ出る」状態はほとんどの場合、漢方で言う「水毒」と考えていいと思います。漢方的には「脾・肺・腎」の働きの調整になります。 現在「脾(胃腸と思って良い)」が冷えて湿をさばけない状態の人が多いようです。果物・ジュース・生野菜と冷飲食が体質を悪化させます。また、花粉症に有効な鼻うがいの方法もご希望の方にはご指導いたします。やってみると決して難しいものではありません。コツがあるだけです。これは非常に花粉症に対して有効なうがいです。ぜひ自分のものにしてほしいと思います。 スギ花粉憎しでは、解決にはなりません。 花粉症以外にも通年性のアレルギー性鼻炎の人も多くなっています。長年の花粉症の方も、初めて花粉症の方もお気軽にご相談下さい。 |
花粉症・アレルギー性鼻炎と漢方実例@ |
この方の場合アレルギーは一応無いという、体質から来る鼻炎でしたので比較的簡単に治ったのかもしれません。いつもこんなに簡単にいく訳ではありませんが、お困りの方は是非ご相談下さい。 |
花粉症・アレルギー性鼻炎と漢方実例A |
今回ホームページ用に書き下ろし。 ◎中学生の男子。この子の家族3人は私が漢方薬を処方させていただいています。この方はアレルギー性鼻炎(明らかに花粉症)なのですが、去年はある漢方薬を処方して差し上げたところ、鼻水は止まるのだが、なぜか咳がでるので中止しました。病院の薬は無効。これも変わっているところです。最近の抗アレルギー剤(特にクラリチンは評判がいいようです)は非常に進んでおり、大抵のアレルギー性鼻炎は随分と症状が緩和され、しかも眠気が少なく、『この季節に鼻から息が出来るなんて!』と驚嘆されるくらい効果があるものです。目のかゆみにはもう一つの感じですが、それは漢方でも同じ感触です。 さて、この方の場合、今年も季節になって鼻炎が出てまいりました。もう一度チャレンジという事で黙って、去年と同じものを試しましたが、同じような結果でした。そこでもう一度、症状、体質をお聞きして、本人も一緒に薬局に来ていただいて処方を決めました。 ティッシュは1日に2箱も使ってしまうと言う。 どんな鼻水かと言うと、くしゃみが出る。その時には典型的なビシャビシャ鼻水が出る時もあるが、大抵はどうもそうではないらしい。詳しく聞いてみますと、鼻水が切れにくいらしいのです。そのため何度も鼻をかんでしまう。ティッシュを見るとそれほど鼻水が出ていないのに両親が気づきました。 それをヒントに処方を考えました。先ず一週間分をお出ししました。 一週間後、電話で直接彼と話をさせていただき、どのように変化したかをお聞きしました。 かなり良くなっているのが、お母さんのお話でわかっていましたが、数字で表してもらおうと思い、 『最初の状態を100悪いとしたら、今はどれくらい良くなっている?』 『ほとんど良いよ。95%良いと思う。』 なんと!わずかに一週間で95%良くなったと言う。中学生ですからパーセンテージの意味も分かります。今度は咳も出ないという事で、この季節はこの漢方薬で決まりだなっというところです。場合によってはこの処方で体質も変わるかも知れません。 ところで、いつもながら、この『病気と漢方』の読み物では、使った漢方薬処方は書いておりません。 と言いますのも同じ花粉症であっても人それぞれ体質が変われば、漢方薬の内容も変わるのが体質に応じて変わる漢方薬の特徴だからです。 ただ、今回の処方はあまり中国漢方(中医学)の本にはあまり応用がされていない処方のようです。むしろ日本の漢方家の経験の中に見られました。もちろんきちんと中医学の弁証でも引き出せるのでしょうが、あまり本では見かけませんでしたね。 さてご家族の内、もう一人の花粉症の方は、去年から違う身体のお悩みで治療しながら体質改善をされたせいでしょうか、今年は花粉症は出ていませんし、それ以前から、ある動物のアレルギーも無くなっておられました。根気良くしっかりと服用される方は結果から言えば、色んなおまけがついてくるという事です。 目次に戻る 漢方相談カードへ |
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